だったら…と皆の目の前で湖柚に挨拶して、しかも名前呼びまでしたけど、ここまで拒絶されるとは思わなかった。


「ごめん、巻き込んで…だけどもうこんな目には遭わさないから。だから……オレの事、信じて欲しい」


全力で湖柚を守る自信はあるけれど、湖柚がオレと一緒にいる事が苦痛だと感じるならば、どうしようも無い。


自分の願望より、相手の気持ちを優先したい………苦手な女子相手にこんな思いやりの心が生まれるなんて、自分でも信じられなかった。


「………」


湖柚は赤くなった瞳をひたすらオレに向け続け、どうすればいいのか考えている。