オレが黙って湖柚がかけていたメガネを外すと、湖柚が驚きの声を上げた。


まさかこのシチュエーションでメガネを外されるとは、全く思っていなかったのだろう。目がビー玉みたいにまーるくなっている。


「ち、ちょっと村星君、返して……!」


慌てて取り返そうとする湖柚だが、サッとオレの背後にあった机に置いて簡単には取れない様にした。


「なんでオレがお前に構うのかって……?そんなに知りたいのなら、教えてやるよ」


湖柚の頬を両手で包み込み、しっかりと視線を合わせる。


両掌から伝わる体温が、微かに上がった気がした。