「フフーン♪ やり返しだもーん♪」


「やったなー!おりゃー!」


あっちゃんは、私のほっぺたをまた、つまもうとした。


「もう、その手には乗らない
もーん♪」


私は、ヒョイっと避け、あっちゃんの頭を、剣道の真似をして、メーンっと叩いた。


「こっっのやろー!」


「へへーんだっ!」


私は、舌を出して、あっちゃんにアッカンベーをした。


そんなやり取りを繰り返していると、お母さんが出てきた。


「あんたたち!いつまでやってるのー。学校に遅れちゃうよー!」


「「はぁーい」」


二人で声を揃えて、返事をした。


「あっちゃん!遅れちゃうよー!」


そう言うと、私はあっちゃんが乗った自転車の後ろにまたがった。


「わかったよ。ん、じゃ、しっかり捕まってろよ!」


「うん♪」


あっちゃんと私は暑い日差しの中を突っ切って、やっとのこと、学校に着いた。