初めての風景。

初めての学校。

初めての人。

全てが初めての今日、私は逃げるように、この学校にきた。




「え~ 今日からこのクラスの一員となる、『鈴音 百合』さんだ。」

[気軽に名前呼んでんじゃねーよ]
担任であろう男性教師の自己紹介に腹を立たせながら、教室を見渡す。

一つだけ空いている席

あそこが自分の席なのだろう。

[なんで真ん中なんだよ]
心で思っていることは顔には出さずに、机と机の間を進む。

席に着くと同時に

右隣の子が話しかけてきた


「始めまして 池田 菜々子っていうの。よろしく、ユリちゃん」
「うん。こちらこそよろしく」

セミロングの髪をサイドに結んでいる
みんなの人気者って感じの子だ。


菜々子につられて、前の子、後ろの子・・・・・・・

と、次々に自己紹介をしてくる。


[そんなに一斉に言われても覚えられねーし]


そうこうしているうちに左隣がいないことに気づく

「ねぇ菜々子。こっちの子は?」

「あぁそっちの子は・・・」

ガラッ