「あのさ… じゃない。あの、質問しても良いですか?」

ダイチはパソコンを使って答える。ミカが読み上げる。
まるで、独り言のように。ミカはそれを繰り返した。

「”どうぞ… それと、敬語じゃなくても良いですよ?”はい。わかりました!」

「あ…」
「”それも、敬語ですよ?”そうだね。それじゃ、ダイチさんも敬語なしで良いですよ。」

「えっと、”僕はパソコンなので、気まぐれに使いますから気にしないで”? うん。 わかった。」

ミカが文字を読み上げる。ダイチは文字を打ち込む。
それで会話が成立する。二人にとって、初めての会話がそこにあった。