「すみません。
革靴とロープと…あと油紙を20束程下さい。」




日がほとんど差すことのない裏道を
一番奥まで進む。

布を掛けただけのテントのような
店がある。



リュンヌはそこに住む
白髪で猫背の店主に一通り欲しいものを
述べた。



店主は目が良くないのか
濁った目でこちらをじっとしばらく睨んだ。

ふんと鼻を鳴らすと、
言われた品を取り、包み始めた。




「400リン」




お金を払い、
品を受け取った。

リュンヌは何も言わず
そのまま店を出た。



エストを出てもう3日。


行商人達が集まる町に
彼は立ち寄り、今にいたる。