電波ジャック~ハロー・ラバー~




そして放課後。生徒会室の別室で文化祭の予算折衝が始まる。
それはまるで病院みたいだった。

ずらりと廊下の椅子に並ばされる。そして一つの部の折衝が終わる度に、中から名前を呼ばれるのだ。

中から出てくる部長の顔は、一様に暗い。

(まぁ、決めるのがあの相田だからな……)

俺は他の部みたいに、いろいろと発表したいと思うこともないし、ほとんど部費でまかなえる。セイも適当な感じだったし……。
何より、順番が最後だというのが気楽な理由だった。


ぼうっとすることはよくあって、一人の時間を使うのも慣れている。
頭の中で、今夜の献立を考えながら、時々他の部長が呼ばれるのに反応したりする。

「なぁ……」

突然に肩を叩かれてそっちを見ると、俺の記憶に無い誰かさんが話しかけてきた。
脳みそが知らないと突っ返すと、目が自然と名札に行く。

(やっぱり知らねぇ……)

さも親しく話しかけてきたのは、俺より一つ前の順番、軽音楽部の『真壁』……ってやつらしい。

真壁は言った。

「相田って可愛いなぁ。ちょっとお堅いのもまた魅力っつーかさぁ」

狙ってんのか何なのか、とにかく俺には苦手なタイプだ。