紅蒼物語



「……速くして…
まだ…他の人の試験が残ってるから…」





中々、進まない俺達にアオが催促する。





「ごめんね?
もう、行くよ」




早く行こ~




と、思っていたのに…





ガシッ! 






「う、わ!? え?なに?」






…オキに、腕を掴まれた。






「ねえ、あなたの想い人って、結局誰なの?」







…まだ、それを言う?





オキは知らないって言ってるのに





ま、騒がれたら煩いし、いいかな













「…名前だけ教えてあげる。
その子の名前は、鈴っていうんだよ」











言いながら、腕を掴んでいたオキの手を外す。



 


オキは案の定、誰? という顔をしていた。






そんなオキに目もくれず、俺は鏡の中へ足を踏み入れた。 







鈴…絶対に無事に試験を終わらせてね。






そう祈りながら…