「それよりさー
なんでアオは、髪がすぐ伸びるって知ってたの?」
オキの一族って、あまり知られていないようなのに、なんでアオが知っているんだろ?
「ああ…それは…「キエェェェエェエ!!!」
アオの言葉をよりも先に、オキが奇声を上げる。
え、何? どうしたの?
オキを見ると、先ほど逆立てていた髪が此方に向かってきていた
ああ、もう。 勘弁してよ…
長引くじゃないか
さっき相手にされなくて、怒ったの?
と思っていたら、目の前に一瞬だけ、青い線が見えた。
そして、
スパッ!!
という音とともに、向かってきていた髪の毛が止まる。
切れた部分の髪が、中間部分からボトリ と落ちる。
俺の前には、尻尾が鋭い刃物になったアオがいた。
あ、切っちゃったんだ。
「ああ! あたくしの髪がっ!!」
落ちた髪を見て、大声を上げてるけど、
「すぐ伸びるんでしょ だったら別にいいよね?」
そんなに、髪が大事なのかな?
でも、俺の声が聞こえていないのか、切られた部分を掴んでいる
それをアオは、不快感を露わにした顔で見ていた。
無表情だと思ってたけど、こんな顔もするんだ…
けど、いい加減苛ついてきたのか、
「煩いよ、黙って。」
と、今までとは違う、冷淡な声を出したアオ
それでも、聞こえていないのか、オキは叫ぶのを止めない。
嗚呼…煩い
いい加減、俺も限界。
すぐにでも凍らせてやりたいのを、ギリギリで我慢してる状態だ。
どうして、そんなに叫ぶことができるのか…
理解不能だ。
「煩い…」
え…?
突然ボソッと、そう言ったアオ
でも、その姿はすでに消えていた。
あれ? どこ行ったんだろ…
顔を動かすと、
「…ッ!!」
「黙れ小娘。
煩いと言っているのが、聞こえないのか」
身体が震えるような、低い声
アオが、オキの喉元に尻尾を突きつけていた。
刃物になったままの…
それに、姿もさっきと倍違うほど、大きい
「ヒッ…!!」
オキは小さな悲鳴を上げた。
「調子に乗るな。
試験は終わった、なのにまだ攻撃をするのは、どういうことだ?
小娘、それ以上喚くなら、貴様の首を跳ね飛ばしてやるわ」
一言一言が重い。 見えない圧力がかけられたように、身体にのしかかる
アオは……恐ろしく強い。
オキは口を両手で押さえ、何度も頷いた。
何も言わなくなったことに満足したのか、アオはオキから離れた。
体も、もとの大きさに戻っている
見えない圧力も、消えている。
「アオって、大きいんだね?」
近くまできたので、ニコッと笑って言った。
無表情になっていた顔が、驚きの色に変わる
でも、それは一瞬で、すぐにもとの無表情に戻った。
「……本当はもっと大きい……
それで…さっきの質問だけど……それは…魔が悪魔だから…」
悪魔、ね…
「じゃあ、悪魔って何でも知ってるの?」
もしそうなら、俺達が東国だということが、バレてるよね?
その質問に、トロンとした目をしていたアオの目に、鋭い光が宿った気がした
「……そうじゃない…
魔達は、上位の悪魔だから……」
上位の悪魔?
気になったけど、アオの目はもう聞くな とでも言っているようで、それ以上は聞けなかった。
