紅蒼物語



俺のその言葉に、まだアオが何も言っていないのに、オキが走ってきた。





長い髪を振り乱しながら、こっちに向かってくる姿は、まさに魔物。




ケモノの姿の魔物のようだ。





オキは、菖蒲と同じ体術使いなのかな?




そう思い、身構えて待っていると、オキは俺から一定の間隔を開けて止まった。





……一体、何がしたいの?




疑問符が頭に浮かぶが、それも一瞬




「髪化粧 “赤”!」




オキがそう唱えるとともに、真っ白だった髪の毛が、ペンキを塗り立てたような赤色に変わった。





変わっただけでなく、髪が逆立ち、大振りの刀のような形に固まった。




その髪は、意思を持っているかのように俺に向かってきた。








「氷結魔法 “氷刀”」





俺は、直ぐに唱え氷でできた刀を握り、髪の刀と打ち合う。




ガキンッ!




と、金属音が響く。







「驚いた……
本当に刀なんだ」




ただの髪の毛の固まりだと思ったのに



そんな事ができる魔法があったなんて



俺は、思わず呟いた。







俺は、地を蹴って間合いを詰めようとするが、そのたびに髪の毛は形を変え、邪魔をする





盾のようになったり、刀の形のときに振りかぶろうとしたら、サッ と形を解き、直ぐにまた刀になり、俺の無防備な懐に打ち込もうとする。





俺は、すんでのところでかわしたり、二本目の刀を素早く造り、防いだりするが……






髪の毛が二つに分かれ、二本になって向かってくる






う~ん。





受けきれないわけじゃないんだけど、いまいち攻め方が解らない。





もう少し、観察してないと