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「さあ、次はあたくしの番ですわ!」




そう言って、長すぎる髪を振り回しながら闘技場へ歩いていく女




「…で? あたくしの相手は誰ですの?


……まあ、どうせあたくしが勝つんですけど。」





うわ。 めんどくさそうな人…




「俺だよ。」




ハア。 この試験疲れそうだな









「……あら。 格好いいじゃないの

ねえ、あなた名前は?」




闘技場に降りた俺に、女はニヤニヤと笑ってそう言った。




……キモイなあ
これが終わったら、会うことはないのに名前訊くんだ。



あ、合格したら会うことはあるのか




「俺は、英。」





俺は、極端的に答える。



「ふぅーん。
英、ねえ…

あたくしは、オキというのよ!
ねえ! あたくしと一つ、賭けをしない?」




俺、名前きいてないのにな




「賭けって、何?」




「フフ。 簡単よ
あたくしが勝ったら、あたくしのものになりなさい。

逆に、あたくしが負けたら、あなたのものになってあげるわ!
どう?」






……意味が分からない。結局は同じ意味じゃないのか?





「審判さーん。これってありなの?」




俺は、このDグループの審判である、真っ青な色をしたネコに言った。