紅蒼物語



あまりにも絲夜が抵抗するので、渋々離れた。






「喜びを分かち合いたかったのにい」






「別に抱きつかなくてもいいじゃないですか……」







私を引き剥がすのに疲れたのか、絲夜はグッタリとしている。







「二人ともあんまり怪我してないけど、一応手当てしておくヨ」






そう言って、シロが近づいてきた。







「あ。私はいいよ
自分でできるから」






こうみえて、回復魔法も得意なのだ!







「絲夜も治すから、ジッとしててねえ」






先に絲夜から治そっと。






私の蹴り、手加減したけどはいったし、壁に激突してたしね~







「俺はシロに診てもらうから、いいです。」







フイ と顔を背けられちゃった。







「そう言わずに! この邪魔なフードもとっちゃえ!」








私は強引に、絲夜がずっとかぶっていたフードを取った。



     



「あ!」






絲夜が小さな声を上げたのと同時に、






バサリ





と、フードが取れた。

































「…うわ。 綺麗…」




言えたのは、それだけ








フードから出てきたのは、輝くような金髪と、淡い緑色をした瞳だった。






金髪は少し長くて、肩にかかっている






私は思わず、その綺麗さに息を呑んだ。 







英はどっちかというと格好いい方だし、絲夜は…







美少年、という言葉がピッタリだと思った。







絲夜はどうしたのか、慌ててフードをかぶり直した。






え。 どうしたの?






そう思った時だった。


























「────王子……」






  



と、上で誰かが呟いた。









その声はとても小さかったけど、異様に静まりかえっていたこの空間には、大きな声のように広がった。







  












…………え?
































「えええええええ!!!! 
お、おお王子いぃぃいぃぃ!?!?」




 



絲夜は、額に手を当てていて俯いている





『王子だ……』


『本物……?』


   





上では、ザワザワと人が騒いでいた────