紅蒼物語




本当は、戦争になんて参加してほしくないし、できれば、戦争なんてやってほしくない。

 





だけど、僕が此処にいるのは、ちょっとした訳がある。






…今は言えないけど









「別に鎖部だからって、強くなれないわけじゃないネ


例えば、本が手元を離れても直ぐに自分の下に返ってくるように、魔法をかけておくとか工夫をすればいいと思うネ


それと、予想してないことがおきたら、すぐ動揺するのをやめたらいいネ

強くなるのは、それからネ」








クロの言葉を聞いているうちに、落ち着いてきたのか、一言も聞き漏らすまい という目をしていた。







僕は奏汰の方を向いて






「じゃあ、ここでバイバイやな
また、どこかで会えたらいいな!」






いつものように、ニッと笑って言った。






「うん。 元気で」






奏汰も、優しく微笑んでくれた。








クロは、僕らの足元にそれぞれ魔法陣を作った。 






飛ばす場所が、違うから


 





言わないでおこうと思っていたけど、何故か言っておいた方がいいと思って、奏汰の方に顔を近づけた。






そして、バレない程度にフードを軽く取ると










「実は僕な──やねん」









そう言うと奏汰は、何度目かの驚いた顔を浮かべたけど、僕の顔をみて納得したのか








「そうだったんだ。 教えてくれてありがとう」





 

と言って笑顔を向けてくれた。







それが、僕にとってはとても嬉しいものだった。








魔法陣が光り、僕はもといた広間に戻った。