うわぁ
大丈夫なんか、あれ?
他の人達も心配そうに下を見ているが、
数人は、傷付いたその姿を見てガタガタと震えている。
きっと、これほどまでに痛ましい姿を見たことがなかったのだろう。
そう思っている間に、クロは傷付いた二人の腕に、尻尾を絡めていた。
すると、詠唱もしていないのにあっという間に二人の身体から傷が消え、起き上がれなかった人もゆっくりとだが、立ち上がった。
「凄いっ……!」
「詠唱無しで、回復できるなんて……」
普通、魔法を発動させるときは詠唱──つまり、決まった言葉を言わなくてはならない。
だけど、魔法に長けた者の中には詠唱無しで魔法を使える人もいる。
無詠唱魔法は、魔法を繰り出す速さも、威力も、普通の魔法よりも段違いに凄い。
でも、そんなことができるのは、この広い世界において一握りの人達しかいないが……。
「ほんま、只の使い魔ちゃうやろ」
僕は乾いた笑いしかできなかった。
それ程までに、無詠唱魔法を使う事が出来るのは凄いことで、
僕は、試験が終わったらクロの事を調べてみようと決めた。
