紅蒼物語


***


僕達が連れてこられたのは、城の外れに沢山ある闘技場だった。




「うっわ! ここどこ?」


「…闘技場?」



試験者達が次々に、声を上げる




多分、この中でこの場所を知っているのは、僕と絲夜だけだと思う。





「あんた達がAグループだネ。
入り口にいないで、さっさと中に入っちゃってネ」




外でウロウロしていた僕等の前に、いきなり現れたのは、闇のように真っ黒な毛並みをした猫だった。




瞳が金色なことを除けば、只の黒い塊にも見えた。




いや……、その前に猫なんやろか?




普通の猫なら、人の言葉を喋れるはずがないし、この猫は大きくて二メートルはありそうだった。




「えっと、き、君は……?」



また、誰かが声を上げる。





「魔は、ミフネの使い魔ネ
このグループの指揮官を任されてるネ
あんた達なんかより、ずっと強いから嘗めないでほしいネ」





使い魔はチロリ、と自分の真っ黒な舌で、同じく真っ黒な爪を舐めた。