「ほら、お前も自分で自己紹介しぃや」
バシッと絲夜の背中を叩く楓
その様子を見て、あたしは
「……母親みたい」
と呟いてしまった。
「ほえ~
何々? 楓は絲夜のお母さんなの?」
小さく言ったから、誰も聞こえていないと思ったのに、菖蒲には聞こえたみたいで、首を傾げながらそう言った。
「……俺達は兄弟ですよ。
さっき兄さんが言ったこと、聞いてなかったんですか?
それとも、聞いても理解できなかったんですか?
もしそうなら、あなたは致命的な阿呆ですね
兄弟の意味も分からないなんて」
ハアっ、とわざとらしくため息をつく絲夜
だけど、あたしは菖蒲のアホさ加減よりも絲夜の辛辣な言い方に驚いていた。
「……な?
辛辣やって言うたやろ?」
楓は、あたしの耳元でコソッと囁いた
あたしはただ、首を縦に振るしかできなかった。
成る程、こういう子なんだ……
