「あの人達、フードなんか被ってて怪しいねぇ」
菖蒲もフードの2人組を見ていたのか、そう言った。
怪しいって……
潜入しているあたし達の方が、ずっと怪しいと思うんだけどな
「…まあ、色々と事情があるんじゃない?」
あたしがそう言うと、菖蒲は ほえ~、と納得したような声を上げた。
背格好からして、歳はあたし達と同じくらいかな?
でも、別に興味は無いかなー
英も興味が無いのか、試験はまだ始まらないの? と言いたげに、キョロキョロと辺りを見渡していた。
英が首を振る度に、銀髪が部屋に入る日の光で、キラキラと輝いていた。
その時、後ろからトントンと肩をたたかれた。
振り返ってみるとさっきの茶髪フード君だった。
え、何?
「…何ですか?」
「……君らものすご美人やな!!
いやービックリしたで!」
地味に驚いたあたしの肩に手を置いて、にんまりと笑う茶髪君
「僕、楓(かえで)いうねん。
君、名前は?」