紅蒼物語






「いや、本当はもっと早く着けたんだよ
二人が変な道ばっか行くから」







はあっ、と英はわざとらしくため息をついた。







それもそのはず、あたしと菖蒲…いや、正確には菖蒲がだけど、奇跡とも言えるほどの方向音痴を発揮したので、迷ってしまったんだ。



 




あたしは、英の意見を聞かないで菖蒲について行ってしまって、英とはぐれたりもした。






幸い、テレパス──自分の言葉を直接相手の脳に響かせる無属性魔法──が使えたため、再会はできたんだけど……



 

周りが木ばっかりで、居場所がよくわからなかったあたし達は、英に上手く伝えることが出来なくて再会にも時間がかかってしまった。





あたしと菖蒲は顔を見合わせた。





……ほんと、英には迷惑ばっかりかけてるよね





「ごめん、英…」

「ほえ……ごめんね」




しゅんとしてしまったあたし達に英は





「まあ、いいよ。いつものことだし
それに、俺が自分の意志でついてきたんだからさ」





気にしなくていいよ、と優しく微笑んでくれた。






「それにしても……
西国の城って大きいな~」




目の前にそびえる城を見て、感心したような声を出す英