紅蒼物語



菖蒲は、回復魔法の他に“創り出す”ことも得意なんだ





だから多分、英そっくりのゴーレムでも造ってたのかな?








「まったく…
昼からきてって言ったのに、菖蒲夕方から来たんだよ?
おかげで、材料集めに時間かかっちゃった」







ゴーレムは、高度に作るほど扱いずくなるけど、上手に完成できたら使い勝手もいい






だけど、その分作るのは難しくなるし、作るための材料を集めることが、なにより難しい 


 
   




力仕事を手伝ってほしいときは、簡単に、土に魔力を込めた鉱石を埋め込んだらいい






だけど、分身のように造りたかったら、その人の髪の毛やら血やら、よく知らないけど珍しい鉱石も必要、って前に菖蒲が言っていた。







「でも、偽物なら分身魔法でよかったんじゃない?
わざわざゴーレムを造るより、その方がずっと楽だし」






魔力で創ればよかったのに







「ただ魔力で造っただけなら、すぐ見破られるよ
鈴だって昔、分身作りで遊んだとき、偽物だ、って気付いたでしょ」








確かに。 そうだったね




よく見れば、なんとなく分かるんだよね、魔力だけだと








「ごめんねぇ、英
鈴と話してたら、頼まれてたことすっかり忘れちゃったのぉ」






あたしたちを見る菖蒲は、身長が低いから、必然的に上目づかいになる






あたしとは、そんなに身長は変わらないけど






菖蒲は、今日は腰ぐらいまでの、艶のある黒髪をツインテールにしている






大きなくりくりした瞳は、申し訳なさそうに、ゆらゆらとゆれている。






潤んだ紫色の瞳……




……可愛いッ! 小動物みたい!




抱き締めた……ハッ! 







危ない危ない。 そんなことしちゃだめだね








「完成できたから、泣かなくてもいいよ」






こんなに可愛い菖蒲を見ても、英はなんら動じず笑顔のまま






英は、昔から菖蒲がこんなに可愛い行動をしても、照れたり動揺したりしない







あたしは、これがずっと、不思議