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次の日の朝、あたしと菖蒲は城の地下を、陛下と陛下の付き人と歩いていた。









理由は、西国へ行くためにテレポートしないといけないから


   




魔法を使えば早いんだけど、生憎あたし達は西国の事をよく知らない







知っている場所じゃないとテレポートしにくいんだ。








だから、城の地下にある大きな移動用魔法陣を使う。







魔法陣は同じ模様を描けば、どれだけ離れていても繋がっていて、行き先を言えさえすれば瞬時に移動できるんだ。








城にある魔法陣は、昔起きた戦争の時に、東国の人達が描いたものなんだって。 







なんでも、西国の城の近くにある雑木林と繋がっているらしい








五人で黙々と地下を歩いているんだけど……








沈黙は結構辛い





菖蒲は初めて来た地下に興奮してるから、話しかけずらい




でも、陛下の前だから変な話はできないし…




 
うーん と俯いていたら







 
「…どうかしましたか?」





「え?」




後ろにいる陛下の付き人さんに、声をかけられた。






「俯いていらして…気分でも優れませんか?」





陛下の付き人さん、親切な人だなあ




サラサラな黒髪に、身長も英と同じくらい高い





「いえ、大丈夫です。」





ニッコリ笑うと、付き人さんも笑ってくれた。