紅蒼物語


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「……えーっと

つまり西国に潜入するんだよねぇ?

うわあ、わくわくしてきた!」







あたしが話し終えると、菖蒲は目を爛々と輝かせた。





「菖蒲、遊びじゃないんだよ
もうちょっと緊張感もてないの?」





「ほえ~ 
大丈夫、大丈夫!
いつもなんとかなってたじゃん! 今回も気楽に行こうよう!」



ねっ! と可愛く首を傾げながらそう言った菖蒲





相変わらず呑気なんだから…






「その前に、ほえ~ってなによ」


「ほえ~は、ほえほえ~だよ!!」





気になったから、菖蒲にきいてみたのに、よく分からない答えが返ってきた。





しかも、満面の笑みで



まあ、菖蒲はこうだからね。 





ほっといたら、すぐ忘れて遊びに行ってしまいそう





一応念を押してそう言うと





「ほえ~

大丈夫! 遊びになんて行かないよ!
それに、今日は用事があるんだー」






と言った菖蒲







でも、用事と言ったとき表情が少し暗くなった気がした






用事か…  一体何なんだろう


  
   
「でもね!
まだ時間あるから、それまで話してよーよ!」

 



まあ、まだ朝早いもんね






本当は今すぐにでも寝たいけど、うるうるした目で頼まれたらね…


 






「…いいよ」

 



断れないよね
















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結局、用事のことをすっかり忘れてたあたし達は昼過ぎまで話していた。






用事を思い出した途端、菖蒲は血相を変えて部屋から出て行った。





………大丈夫かな?






明日から西国潜入。 不安は残るけど菖蒲と話しているうちに、なんとかなると思うようになっていた。



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「だからー、ほえ~とふえ~は違うの!!

ほえほえと、ふえふえなの!!」


「………いっしょでしょ?」


「ちっがーーうっ!!」