和樹は事あるごとに、私の頭を撫でようとする。
昨日のうちにそれに気づいてしまった私。
好きな人に撫でられるのは、とても心地よい。
だから、私は和樹のその癖が好きだった。
盛り上がっていると、やがてホームルーム開始のチャイムが鳴った。
昼休みに、私は教室から出てトイレに行こうと歩いていた。
トイレが近づいて来ると、中から女子の声が聞こえて来て、何の話をしてるのかなと思った。
人の話には興味は無かったけれど、聞こえて来た会話の内容が内容だったので、思わず私は足を止めた。
「ねぇ、聞いた?秋山に彼女出来たんだって」
「聞いた聞いた。しかも彼女ってあの水谷さんでしょ?」
「水谷さんとか、ないわ。私の方がずっと良い女だって」
「私秋山のこと、狙ってたからショックー」
そんな会話を聞いてしまったので、私はトイレの数歩手前で立ち尽くしてしまった。

