そんなことを話していると、眼鏡をかけた一人の男子生徒がこちらへやってきた。
「和樹、何で入学式出なかったんだ?」
男子生徒にそう問われた秋山くんは、また説明するのかと言いたそうな顔をした。
頑張れ秋山くん。
「階段でこけて鼻血出して、この水谷に付き添ってもらって保健室に行ってた」
秋山くんはそう言うと、私と彩音に向き直った。
「こいつ、俺の中学からの友達で福田翔(ふくだ しょう)っていうんだ」
眼鏡の男子生徒のことを紹介してくれた秋山くん。
紹介された福田くんは私達の方を見て優しく笑った。
「初めまして、僕は福田翔。よろしく」
「私は藤本彩音、よろしく!」
「私は水谷美冬だよ。よろしくね!」
私達が自己紹介を終えたところで、教室に担任の先生が入って来た。
なんだか高校生活楽しくなるかも…?
そんなことを思いながら、私は自分の席に着いた。

