偶然、それは必然





「さ、入って!」



ホストクラブは初めてだと言う結衣は、少し躊躇しながら店内に足を踏み入れる。



「段差、気を付けてね。……じゃあそこの席座って!」



「はい!」



「何飲む?」



メニューを見せると、結衣はカシスオレンジと呟く。



「了解!カシスオレンジお願いします!」



カウンターにいるホストに向かって叫ぶ。



「ほんとリラックスしてね!あ、カラオケ歌う?ってまだ早いか!」



結衣は少しずつ笑うようになっていた。