それはクリスマスイヴの深夜のことだった。 誰もがクリスマスを楽しんでいるであろう明るい町中を、 一台の救急車がけたたましくサイレンを鳴らせながら走っていく。 『救急車通ります!道を空けてください!』 いつもより人通りの多い交差点に差し掛かり、 救急隊員が拡声器に向かって声をかける。 救急車の中には運転手と他にひとりの救急隊員、 ベッドに横たわり意識のない若い女、 そして必死に女に声をかける男と隅でうなだれる男のふたりの若い男が乗っていた。