ーうわ。
最初からステージ上には様々な演出があったが、フローライトの時は、スクリーンに、あのPVが流れだした。
《どうして熱を持ったの》
背中にヒヤリとしたものが伝う。
ー恥ずかしい…
居た堪れない。
その上、走馬灯のように、自分の内に蘇ってくる思い出の数々で、胸が痛かったりドキドキしたり、目まぐるしい。
だって、初めて観る。
結局、色々あって、完成した作品を観ることはなかったから。
ヒロとメイの恋物語。
結局この曲と同じで、私も不毛な恋をした。
《どうせならいっそのことこの気持ちごと粉々に砕け散ってしまえば良いのに》
画面に切なげに揺らぐ瞳で、メイの姿を追うヒロー桂馬の映像に、胸が張り裂けそうだった。
ー桂馬くん…ごめんなさい。
この人を好きになれれば、幸せだったのかもしれない。
ハッピーエンドだったのかもしれない。
だけど現実は、この歌詞と同じ。
砕け散って欲しい想い程、熱を持ち、消えてなくならない。
この曲を境に、トモハルと前みたいに接することができなくなった。
この時から、色々な葛藤に苦しんだ。


