いろはにほへと














「あらあらぁ~!!来てくれて嬉しいわぁ!初めまして、ひなのの母です!いつもひなのがお世話になってます~!」



母が腕を振るった料理が、ずらりと並んだテーブル。
一時間遅れで、いらっしゃった客はそこに案内され、今まさに母に大いに歓迎されている。

玄関から案内した私は、その様子を、桂馬の後ろに立って眺めていた。



「いえ、こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。また、ひなのさんの合格本当におめでとうございます。これ、お口汚し程度ですけど、皆さんで召し上がってください。」

「まぁまぁ…手ぶらで良いのに。かえって気を遣わせてしまってごめんなさい。あら、しかも、これ、すごい人気で中々買えないカームのスフレチーズケーキ!!!嬉しいーーー!」


「それは良かったです。」



そして、口先と物腰だけは、天下一品の桂馬が、憮然とした目線を、ちらり振り返って私にだけ向けている。


その原因は。



「お、久しぶりだね。桂馬くん。」


席に着き、悠々とワイングラスに注がれたジンジャーエールを飲む彼女ー澤田のせいじゃないかと思います。