人気な人との噂だったから、ファンからよく思われなかった、とだけ伝えて、嫌がらせを受けた事は伏せた。
でも忘れないで大事にしておこうと思ったこと。
桂馬達に胸を張りたいと思ったこと。
だから、髪を切ってみたこと。
それから澤田の策略によって、美容院に連れて行かれてこうなったことを伝えた。
「すごいじゃん。」
「いえ、、そんなことないんです…澤田さんのおかげです…」
桂馬は缶コーヒーに口を付けながら、私の話をからかうことなく聞いてくれる。
「澤田さんも、私の事分からないって言ってました。それなのに、桂馬くんはあんなに沢山人がいた中で、よく私の事見つけられましたね。髪切ったことなんて、言ってなかったのに。しかもあまりに早いから、瞬間移動してきたのかと思いました。」
私はもらったお茶をポケットに入れつつ、大真面目にそう言うと、桂馬がくっと吹き出すように笑った。


