「び、美容院…!」
止まらないと思った涙も引っ込む破壊力。
「むむ無理です!!」
「無理じゃない。中条さん、撮影で髪切ってもらったんでしょ?」
ー確かに切ってもらいましたけど、前髪と後ろ髪は梳いて貰っただけですし、あれはどちらかといえばもうされるがまま的な感じでしたし!?
石のように固まる私を、澤田は容赦なく引っ張る。
横文字アルファベットで洒落た名前がライトアップされている空間なんて。
「いやいや、あの時とは、全然違います~って!」
幾ら前を向くって決意したからと言って、いきなりハードル高過ぎる。
「澤田さ…」
「あれ?店の前を誰が騒いでるのかと思ったら、真千子ちゃんか。」
己が行く前に、店のドアの方が先に開いてしまった。
「あ、芝上さん。どうも、お久しぶりです。」
「何?お友達?珍しいね。中入りなよ。」
澤田や桂馬に並ぶ、洒落キラボーイ、現る。


