「…お、おーし!中条さん、良く言った!そうと決まったら、ほら、行くよ!」
「はい!」
お互い、ボロボロと泣きながら、手を握りなおして、また歩き出す。
澤田はこういう事を、いつも私に言ってくれているのに、言われる側になると、照れて、隠そうとする。
そういう部分も、きっと一歩踏み出したから、知ることの出来た事実だ。
辺りは暗くなってきた。
人々の量はまた増えてく。
そんな中で、私達2人は、殆どの人が駅に向かう流れに反して、進んでいく。
「ところで、澤田さん、、どこにー?」
やがて、私が現場の確認をし始めた頃。
「ここ!」
立ち止まった澤田が指差した方向を見て、私は卒倒しそうになった。
「ここは…っ!」
私が、敷居が高くて跨げないと、ずっと、ずっと、ずっと、行けなかった場所。


