色んな思いをした。
それは一人じゃできないことだった。
知らないことだった。
トモハルと逢ったこと。
トモハルと過ごしたこと。
トモハルに怒ったこと。
トモハルで泣いたこと。
トモハルの隣で笑ったこと。
トモハルに教えてもらったこと。
全部、無かった事にされてしまうのなら。
だったら、最初から無かったら良かったのにって。
そうやって、また、逃げようとしていたけれど。
「中条さん…」
「無くならないからー」
思い出そうとすれば、確実に胸を焦がす程の熱で苦しくなって、涙が止め処なく溢れて零れる位。
「周りの誰が、無かったことにしたって…私の中からは消えないから…」
消えてくれたらいいのにと思うけど。
失くなって欲しいとは思えない。
そんな相反する想いは疲れるけれど。
それでも。
「ここに、ちゃんとあって…それが、あって良かったって、思ったんです。」
皆に出逢えて良かった。
トモハルに逢えて良かった。
まだ、苦しいけど、好きになって、良かった。
好きだと言う感情を、知れて、良かった。
もう、二度と逢えなくても。
「だから、もう…ちゃんと前、向きます。向きたい、です。」
この想いが、届かないと、分かっていても。


