いろはにほへと

「父が言ってくれたように、自分は、トモハルに会って、世界が変わったんです。あの人に、世界を変えてもらった…見方を変えてもらったんです。」


澤田は何も言わず、じっと私の言うことを聞いてくれている。

私はそんな彼女の顔を見ることができないまま、纏まらない言葉を懸命に紡いだ。


「そのお陰で出逢った、澤田さんも、桂馬君も、、こんな私の事を、大切にしてくれました。だけど私は…何も…今回みたいな事があって、やっぱりやらなきゃ良かった、皆と逢わなきゃ良かった、そんな風にしか思っていませんでした。」


でも、そうじゃない。
本当はそうじゃない。


「澤田さん達と私は、関わるべきじゃない人間だって。トモハルとだって本来なら逢うべきじゃなかったのにって。逢ってなかったらこんな思いしなくて済んだのにって。」


一緒にいて、楽しかった。
苦しかった。
辛かった。
泣いた。
切なかった。
痛かった。

だけど。


「今日、澤田さんに言われて、気付きました。」


自然とまた、熱いものがこみ上げてくる。


「わた、私ー」


それをぐっと堪えて呑み込んで、澤田を見た。



「皆と、逢えて…っ、良かったです…!」