いろはにほへと

さーと血の気が引いて行くのが分かる。


「だ、そ、そうでした…ど、どうしましょう…ど、ど、どうすれば…!!」


大分落ちてきた太陽をバックに、狼狽える私と、顔をオレンジ色に染めている澤田。


「落ち着いて。そうだなぁ…」


顎に手を当てて穴が開くほど私を見つめて。


「中条さん、イメチェン、してみる?」


パチン、指を鳴らし、それをピストルのようにして、銃口を私に向けた。



「いい、イメチェン????」


「更に思い切ってみたらいんじゃない?となったら、行くよ!」


ぐぐい、と私の腕を掴むと、屋上を後にし、来た道を戻る。

廊下は静かで、時折吹奏楽部の微かな楽器の音が遠くから聞こえる程度だ。

3年生はもう夏に引退したから、この時間に同級生で校舎内に残っているのは、私達位なものかもしれない。


「何処に?!」


「きれいになるところー」


私の動揺を、澤田はさらりと交わしながら、昇降口へと降りて行く。