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「もう、食べないの?」
元々、食欲は落ちていたけれど、桂馬とのことがあって、桂馬と向き合うと決めてから、少しずつ前を向くように努めていたのだけれど。
謹慎が解けた朝は、流石に緊張からか朝食が喉を通らなかった。
外界でほとぼりが冷めたのかは知らない。
学校内でどうなっているのかは分からない。
私の、立ち位置が読めない。
だから、怖かった。
「ーひなの、行けなかったら無理して行かなくても…」
ご飯茶碗と見つめ合っている私を、心配そうに覗き込む母。
「…いえ…行きます。」
私は、諦めて箸を置き、席を立った。
「ひなのさん、駅まで一緒に行きましょう。」
靴を履いている私の傍らで、母は靴べら片手に立ち尽くし、更にその隣で、父が鞄を持ちつつ、誘った。
「ーはい。」
この二人を、なんとか安心させてあげられたらいいのに、顔の強張りが取れず、笑顔一つ見せられない自分に苛々する。


