いろはにほへと



私も中条さんなんだけどねぇ、と呟いて、母は私の背中をぽんぽんとあやすように叩き、立ち上がった。


同時に、震え出した私の手の中にあるスマホ。



「ー私達が守らなくちゃって、思ってたけど…ひなのには、守ってくれようとする友達が、いつの間にか沢山いたのね。」



食べられるようになったら、食べなさいね、と小さく囁き、母は悪戯っぽくウィンクして、口に人差し指を当て、部屋を出て行く。


まるで、私が電話しているかのように。



「……はっ、電話っ」


あまりに慣れない機械の震えに、うっかり放置しそうになったのをなんとか思い出し、先日澤田に教わったように、指を画面にスライドさせたー


「………」


ものの、なんと言えば良いのか、分からず、言葉を失う。


そんな私に浴びせられたのは。




《やっとでやがった、この馬鹿が!》



耳をつんざくような、怒号だった。