「桂馬くんは…もう、私のことなんて、呆れてるんだと…あれから音沙汰、ないですし…」
私自身も、それどころじゃなかったと言えば、そうだけど、あれだけ神出鬼没だったのに、こうして連絡が途絶えたのは、この一件で、嫌われてしまったからだろうとさえ思われた。
「…そんなわけないじゃん。桂馬くん、あの時言ってたでしょ。中条さんのこと、守るって。」
言いながら、澤田は自分のスマホを取り出して、ひとつの動画を私に見せた。
「桂馬くんは、約束通り、中条さんのこと、守ったんだよ。」
沢山のフラッシュを浴びながら、桂馬が何かを言っている。
「ーえ?」
画面のこちら側に、直接言っているような錯覚に陥る程、桂馬の視線はカメラに向けられていて。
ー今、何て…
「桂馬くんは、矢面に立って、中条さんのこと、守ったんだよ。今迄スキャンダルをこれっぽっちも出さずにいた阿立桂馬が、だよ。」
澤田は、それを閉まってから、今度は桂馬から貰った充電中のスマホをいじりだす。
そして、さっきと同じように、画面を私に見せた。
「きっと、今事務所とか釈明に追われてるんだよ。マスコミも一手に引き受けて、中条さんが巻き込まれないようにしたの。」
不在着信と書かれた下に表示された名前の羅列は、阿立桂馬で埋め尽くされていた。
「そんな中でも、中条さんに連絡取ろうと必死に時間見つけて電話くれてるのに」
時刻は全て深夜だった。


