いろはにほへと

「落としたりはしていないのですが…壊れてしまったようで、真っ暗になってしまって…」



おろおろと告白する私を横目に、澤田は立ち上がってそれを手に取った。


そして、はぁ、と肩を落としー



「中条さん…ただの、充電切れだと思うけど…」


呆れ顔を、私に向けた。


「は…え…えっと…すみません…」


小さくなって、消えてなくなりたい私をよそに、澤田は自分の鞄から機械を取り出して、スマホとコンセントを繋ぐ。



「中条さんの家には、テレビがないんだよね?」


座り直した澤田に、私が頷く。


「じゃあさ、桂馬くんが何をしたのかも、知らないってことだよね?」

「ーえ…」



知らない。何も。

一体何があったのか、私はここ数日の外界の動きを何も知らない。