母が開けたドアの向こう。
「…中条さん…」
いつも元気で、自信に溢れている、キラキラ女子の澤田が、薄っすらと暗い空気を纏って、立っていた。
「ーゆっくり、してってね。もう少ししたら、頂いたケーキ、出すからね。」
麦茶を注いだグラスとお菓子をお盆に載せて、母は部屋から出て行く。
「ありがとうございます。」
澤田は一度振り返ってそう言うと、再度私を見た。
ドアもパタンと閉まって、動いていた空気も、ピタリと止まる。
「澤田さん…ごめんなさい…ご迷惑、おかけしてしまって…」
私は、相変わらずベットに背を預けて、膝を抱えたままの状態で、ドアの前に立つ澤田を見上げた。


