廊下側から騒がしい足音が近付いてきて、部屋のドアにノックがけたたましく響く。
「社長!社長!!!!大変です!!!」
ドンドンドンドン力任せに叩いている、この声の持ち主はー
「まこっちゃん?!」
孝祐がそう言うや否や、勢いよくドアが開いた。
「なんだ?今は、取り込んでるんだ!」
「とにかく!テレビを見てください。今すぐ」
「テレビ?」
豊橋社長は、まこっちゃんの登場に気を悪くしているにも関わらず、当のまこっちゃんは、そんなのお構いなしとばかりに、スタスタ中に入ってくると、テレビを点けた。
そこに映し出されたのはー
「阿立、、桂馬…」
何かの映画の試写会だろうか。
隣には、共演者。
そして、沢山のフラッシュ。
その中で、マイクを向けられている桂馬は、凛とした表情をしている。


