いろはにほへと


静かな、イントロが段々音を増して、声が入る。




「この曲の、どこが好きなの?」




トモハルに背を向けて、洗濯を続けていると、ぽそりと訊ねられる。





「え―?」




振り返って見ると、トモハルは黙々と草と向き合っていた。




「…さっき、好きって言ったじゃん…どこらへんが好きなの。」




「えっと…」





そんなこと急に訊かれても、困る。





「昨日、、初めて聴いたので…はっきりとは、、言えないんですけど…」




「え!?」




「え!?」





トモハルが驚いて顔を上げたので、私も驚く。




「あ、いや、、、なんでもない…」





けれど直ぐにはっとしたような表情をして、トモハルは草に目を戻した。





「?…えっと、、曲…、もですけど…声が好きです。」





私は空になった洗濯かごを持って、縁側に腰を下ろし、ラジオに耳を傾ける。