いろはにほへと


でも、なんでだろう。



お父さんやお母さんに言われた時とは、なんか違う。



あぁ、もう薬局にいって、救心を買うべきだろうか。



若年性更年期だろうか。




顔がほてる。





「ていうかさぁ…ラジオ、局変えてもいい?」




「だ、駄目ですっ。」





トモハルを見る事無く叫んで、新しい洗濯ばさみを取り出した。





「えー、なんでー?」






草むしりの軍手を脱ぎ捨てながら、トモハルが口を尖らせる。






「…この曲、すっ、好きなんです。」





この時、きちんとトモハルのことを見ていれば、彼の変化に気付いたのかもしれないけど、そんな余裕はなく。




見てても、老眼のレンズからは確認できるわけもないけど。



好きというワードに過剰反応して、声が引っ繰り返ってる位動揺してるんだから、仕方ない。






「…ふーん。。。」





彼は、何かを考えるように呟いて、一度外した軍手を再び嵌めた。