いろはにほへと


パンパン、とタオルをきれいにはたいて皺を伸ばす。




《ジャーン!『泣き空』でした!もう三週連続ですよね?!圧倒的人気ですねー!》





以前と違う太陽の眩しさに、なくした前髪を思い出す。



心はまだ、朝の一見で痛んでいる。




《それでは、お聴き下さい!ルーチェで『泣き空』》





―嫌いついでに、とか、言っちゃって…



完全に騙された気がする。




あれ。



そういえば。



洗濯ばさみでタオルの端と端を止めながら、引っかかっている言葉を思い出す。






なんか、さっき、トモハルが言ってたことがあった。




なんだっけ。



えっと。。。





『俺はひなののこと、好きだよ。』






「!!!!」





バチンッ




洗濯ばさみが吹っ飛んだ。




誰かに、好きだ、なんて、言われたの。



家族以外に。




今まで、なかった。





「いってぇー!!!ちょっと、ひなのー!!痛いし!!」





真横から抗議の声を上げるトモハル。



見れるわけ、ない。