いろはにほへと

「てかマジか…あのおっさん、マジで腹立つわ。」


言いながら桂馬はチッと舌打ちする。


「大体さ、あんた隙ありすぎなんだよ。」


「……すみません…」


なんで私謝らなくちゃいけないの、と心の中で思いつつ、桂馬の手前縮こまった。


「で?付き合うことにしたの?」


「ーへ?」


桂馬の問いに、私の口からは素っ頓狂な声が出た。


「阿保みたいな声出してんじゃねぇよ。ハルと付き合うことにしたのかって訊いてるんだよ。」

苛々したように、桂馬は腰に手を当てて片足でトントンと音を鳴らす。


「…滅相も無い、、なんでそうなるんですか、言ったじゃないですか、ルーチェ禁止だって…」


何を言ってるの?と訊き返したい私の狼狽え顔に、桂馬の眉間に皺が寄った。



「ハルは何も言わなかったのかよ?」


「えと…はい、…」



「あいつマジでヘタレだな。」


「…え?」


桂馬がボソッと言った呟きを拾えず、首を傾げると。


「……だからあんたはそんな顔してんだ。」


桂馬が切なげに笑んだ。