いろはにほへと


『もしかしたらーひなの、遊ばれたんじゃない?』




澤田の懸念は尤もなことで、それ以外にトモハルの行動の説明が出来なかった。



『ファンとしては、ハルが、そんな人だって思いたくないけどさ…』



私が見た、トモハルは。


映像や雑誌とは、違ってた。


だからこそ、すんなりと納得出来た。


トモハルが嘘を吐いていたとは思えなかったけど、ルーチェのハルだって偽りじゃない。


そういうことだと。


自分の知らない世界だから、それが普通なことなのかもしれない。


だから、つまりは、自分とは違う人間だってこと。



『その気持ちの方の付け方、どうしようか。』



私の代わりに悩んだ末。



『リリースを待とうか。』



と、澤田は言った。


私がPVで参加したフローライトの発売日まで待とうと。


『irohaだってひなのとの思い出をかいたっていうんならー本当にひなのを想ってるんだったら、見てやろうじゃん。』


それからだって遅くないよ、気持ちを捨ててしまうことになっても。と澤田は安心させるように私に笑いかけー


『それまでは、ルーチェ禁止!考えないよう猛勉強!』


ルールを決めた。