いろはにほへと

息が、止まりそうになった。




《どうして時は経つの》



画面いっぱいに映し出される火の花。

交差点を行き交う人々が、画面下に集まってくる。




《どうして進まなきゃいけないの》



ぽつ、ぽつ、雨粒が頬や顔に当たり始めるけれど、それも気にならない。



《立ち止まって見ていたら置いて行かれてしまうの》



このまま見ていたら行けないと思うのに、身体が固まって少しも動かない。


画面は切り替わりー



《諦めれば痛みは退くの》



「ーーこれ……」


映ったのはー




《それとも変わらないの》

《それ以上に引き裂かれるの》



泣き顔の、彼女。


その背景に、一際大きな花火が上がる。


《どうせならいっそのこと
この想いごと》


《いや僕自身消えてなくなってしまえば良いのに》



その前に降るー

完全な天気雨。

晴天に、大粒の。