いろはにほへと

が。

「ー感想は?」

追いかけるように問いかけられて、身体が反射的に止まる。


「出来上がり、観たでしょう。感想は?」


「ーーーー」



桂馬の言っていることの意味が理解できると、俺は黙って再び足を動かした。


「ガキか?」


舌打ちが聞こえたなと思ったら、桂馬が走って俺の前に回り込んできた。


「ーもしかして嫉妬とかして、俺のこと避けてるんですか?こないだのー」


「これ以上ー」


にやっと笑った桂馬を、冷めた目で見つめ返し。


「近づくと、俺はお前をどうにかしそうなんだ。今直ぐきえろ。」


ぎりぎりの境界線をなんとか保って、桂馬を避けて歩いてく。

自分で一杯だから、相手がどんな顔をしていたのかは知らないが、その後はもう声は追ってこなかった。