いろはにほへと


落ち着かない。


気が、トモハルに集中してしまって仕方ない。



わさわさした気分。


すごく、落ち着かない。




こういう時、どうしてたっけ。



どうすればいいんだっけ。



そうだ。



いつも、していたことをしよう。





ずんずんと廊下を進み、囲炉裏のある部屋まで向かった。





ラジオ。



あのラジオをかけて、少し気を紛らわそう。




トモハルだってラジオがかかっている間くらいは静かにしているだろう。




目的地に着くと、お目当てのラジオは昨日と同じ位置で転がっていた。





直ぐに拾い上げて、電波を探し、周波数を合わせ、縁側に腰掛けた。




平常心。



いつも通りの自分を取り戻せ。




ペースを取り戻せ。




深く息を吸ったり吐いたりして、呼吸を整えた。





そこへ。






「あ。」





ぽつり。水滴が縁側から出た手の甲に落ちた。



空の半分は晴れているのに、雨がしとしとと降り始める。