いろはにほへと

「中条も最初はどうなるかと思ったけど、まぁなんとかなったな!頑張ったしな!ドラマや映画じゃ通用しないけどな!」



ガハハ、羽柴監督が笑い、他のスタッフからは、よく頑張ったね、と代わる代わる声を掛けられ、中には涙ぐむ人まで現れた。





ー終わった…んだ…




どこか他人事のように、周囲の人々のことを眺めつつ、私は実感しようとしていた。



怒涛の一週間。


本当にしんどかった。


根が真面目なせいか、一度やり出したら止まらず、わからないなりにシナリオを読み込んだ。



とりあえずやるからには身を捨てても、自分の辿り着いたビジョンを変えたくなかった。



その結果、自分の首を絞めることとなった。



途中何度も挫折して、じわり程度だが涙することもいっぱいあった。



止めていいならいつ辞めてもおかしくなかっった。



けど、頑張った。



それが、

まさに、


今、


終わったのだ。



感慨深い、というか。



周囲からすれば目頭が熱くなるのも当然のように見えるだろう。