いろはにほへと

ただ、静かに。

歩き出す。


一定の距離を保ちつつ。


桂馬と並んで。


風の匂いが、もう、秋を感じさせた。



それは、去年。


トモハルが居なくなったあの時を、無性に思い出させる。





ーどうして。




諦めなくちゃならないと思い、忘れようと努めた存在。


それが、いとも簡単に、溢れ出してしまう。

桂馬に出されたヒントのせい、と言うよりも。

自分の限界だったのかもしれない。





ー忘れるだけのことが、こんなに難しいんだろう。




トモハルの書いた、この唄の歌詞は。


頭の中に、嫌という程刻み込まれてしまって居る。




それは初めて聴いた時と同じで。


自分のそれと重なり過ぎて。


上手く言えない気持ちを代弁してくれているかのようで。




痛くて痛くて仕方ない。






貴方も、同じように感じる恋をしているのでしょうか。




それとも過去のことなのでしょうか。



もしかしたら、ただの想像なのかもしれません。



それでも、今回のこの唄の意味を。



私は、とてもよく知っています。