いろはにほへと

一瞬、硬直したかに見えたメイ。




ー貴方と。





でも直ぐに、諦めたかのように力が抜ける。





ー繋いだ手の温度を、まだ覚えています。




完全に彼に合わせる形で、メイはどこかしら元気がなさそうに相槌を打った。




ー今、隣に居るのが、居てくれるのが。



そのまま2人は歩いて行き、やがて打ち上げられる花火。


神社の片隅に連れて行かれたメイは、立ち止まる。

繋いだ右手の先の彼氏も、当然振り返る。

少しの沈黙の後、メイは彼氏に別れを告げ、背を向ける。




ー貴方だったら良かったのに。



賑わう花火にも背中を見せ、とぼとぼ、と来た道を1人で引き返すメイ。



すると、その途中でやはり1人で道を歩くヒロと会う。



お互いにほっとはするものの、何も言わずに、隣を歩く。




ー『歌詞をよく頭に思い浮かべるんだ。』



桂馬の指示が頭に思い浮かんだ。